ちょっとくだらないことを考えたのでここに記しておきます。
まず、500km/hでの地上走行が安全なのかという点です。航空機ではすでにWW2でその速度を超えているので、特に問題はありません。X-15なんか1960年代に7,274 km/hを達成してますしね。
水上ではたしか500km/hくらいが最高です。液体と気体の界面を進むため非常に危険度が高いです。水上のF1であるパワーボートで240km/h、 ハイドロプレーン・ボートで320km/h、ここら辺になってくると単独クラッシュで死亡者も沢山出ております。
地上走行では スラストSSCが1997年にマッハ1.016達成、世界で初めて音速を超える公式記録を残しました。
今、1600km/hをめざすブラッドハウンド・プロジェクトが進められていますが、まだ音速突破まではいっておりません。 地上との摩擦を利用したものでは、ブルーバード・CN7がガスタービンで648 km/hを1964年に達成しています。
鉄道では2007年にフランスの TGV No.4402 が574km/hを達成しています。この時は信号など周辺設備が強大な振動でボロボロになったそうです。
通常の高速鉄道であれば、メンテナンスを含めた営業運転を考えると(線形にもよりますが)350~400km/hが限界ではないかと思います。中国はほとんどなんにも考えてみたいで350km/hで営業運転をしているようです。メンテナンスが追い付いていないようで、営業運転速度が下がっているという話も聞きます。日本の新幹線は線形が悪いことと、地震などの自然災害対策で330km/hに営業速度を抑えています。 400km/hオーバーとなると、磁気浮上式になります。上海ラピッド(ドイツのトランスラピッド方式)の速度記録が581km/h、営業速度は距離の関係もあり350km/hくらいだそうです。日本の超電導リニアでL0系 、603km/hです。リニア新幹線は営業速度500km/hを目指しています。
磁気浮上式で速度が出るのは、超低空を磁力で支えて飛ぶ航空機と言ってもいいからです。地上との摩擦が無いので高速が出ます。トランスラピッド方式は永久磁石と電磁石の組み合わせで施設を安く済ませられますが、浮上量が10mmくらいしかないので、非常に細かい制御が必要とされます。日本は開発の最初から超電導方式を採用していました。40年間の技術の進歩で、やっと実用的な車両や設備の目途が立ってきました。超電導方式だと100mmくらいはレール?設備から浮くので安全性が高まります。
日本の新幹線は幸いなことにこれまで大きな事故は起きていません。しかし、海外では中国や、ドイツで高速鉄道の大事故が起き、多数の死傷者が出ています。B747の離陸速度が220~280km/hという事を考えると、すでに現在の高速鉄道は飛行機より安全とは言いにくくなっています。一歩間違えれば、航空事故と同じくらいの死傷者が出てもおかしくないのです。
もちろんJRは安全対策をちゃんとやってくると思いますが、500km/hで地上近くを滑空するリニアモーターカーがどれだけ安全なのかは、ちょっと未知数な部分があると思います。もしかすると新幹線始まって以来の大事故が起こる可能性もあります。
最大の旅客機のエアバスA380で定員は853人、新幹線の16両編成では1319席となります。単純に航空機の1.5倍の量を運ぶことができます。どう考えても鉄道の方が重量物を大量に運ぶことができます。kg単価も鉄道の方が安いです。1編成当たりの価格もN700、16両編成で40億円、B747(貨物用)で450億円・・・1/10の値段です。
航空機の方が有利なところは、巡航速度が1000km/hと早いこと、最短距離で移動できること、空港などの設備費が安いことでしょうか。ただ、航空機は機体のメンテナンスに相当の費用が掛かります。 また、貨物の積み込みにはバランスを考えて積み込む必要があり、乱気流などに備えて固定をきっちり行う必要があります。また、悪天候時の離発着は不可能なので、鉄道よりも悪天候に弱いです。
JR貨物のダイヤは旅客路線の合間をぬって組まれています。リニア新幹線が通って、東海道新幹線のダイヤが開けば、高速対応の貨物車両を走らせることもできると思います。最初の設備費はかかりますが、ターミナルの効率化が図られれば航空路線と対峙することも可能だと思います。もしすぐやるならダイヤに余裕のある九州新幹線かな?
あと、リニア線は最初は乗客を乗せず、貨物線として利用して、問題点を洗い出すというやり方もあると思います。
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