ソ連の崩壊に伴って比較的安寧な時代が続きました。日本はいろいろ政策の不手際もあったのですが、その間に不良債権問題も解決できてよかったです。
それで、今、ウクライナ侵攻、中東情勢の激化、中国の伸長主義とかで、 二極化して新冷戦とか言われていますが、冷戦時代を知っている身としては甘すぎるだろうと思っています。
いまアメリカ以外で核弾頭をを持っている国は、ロシア、フランス、イギリス、中国、イ ンド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮といろいろあります。
現状では日本も核武装をしたらいいのではないかという考え方もありますが、核戦力を抑止力に使うには膨大な費用と時間がかかります。なぜならば自分たちは核融合を利用した、戦略核の怖さを一応承知しているつもりだからです。 おそらくその怖さを理解しているのは西側諸国、アメリカ、イギリス、フランスだけだと思います。
第二次世界大戦末期はもう狂気に満ちた世界でしたので、もし枢軸国で核弾頭を開発出来たら、ドイツはV2ロケットに乗せたでしょうし、日本は核弾頭搭載特攻機とかやっていたかもしれません。ドイツの敗戦によって、いち早く核爆弾を開発出来たアメリカは日本に核爆弾を落としました。
そのころはまだ核弾頭はすげー威力のある爆弾だという認識しかなかったのですね。ソ連もドイツの科学者たちを連行して核爆弾を開発しました。
それから、その後米ソ冷戦が始まり、いかにして相手より先に核弾頭を落とすかという開発が始まりました。最初はB-1なんかの超音速爆撃機で運ぶという感じだったのですが、ミサイルを叩き込んだら良くねという事で、宇宙開発競争が始まり、ICBMができました。
地球を1周できる加速度のコントロールができるようになって、核弾頭は地球上のどこにでも打ち込めるようになりました。弾頭の方の威力も高まりました。分かりやすいように日本を例にとると、戦略核3~4発で日本列島は壊滅します。中性子の威力を考えると誰も生き残らない可能性も十分にあり得ます。ここで、相手のミサイルをすべて迎撃するのは不可能だという事で、ちょっと膠着状態が起こりますが、すぐにとんでもない代案が出てきます。戦略核ミサイル原潜です。人類史上最強の兵器で、地球上の海洋のどこからでも、仮想敵国のアメリカ、ソ連を壊滅させることができます。
つーかマジで使ったら、核の冬で人類滅亡のシナリオもあったりします。(バクテリアは大丈夫だと思うけど。)
冷戦時代はウラジオストックにソ連の戦略核ミサイル原潜の母港がありました。米軍基地ももちろんありましたので、ま、はっきりいって日本は常に喉元に刃を突き付けられたような外交を強いられました。NATOとワルシャワ条約機構軍の対立が欧州で目立っていましたが、核戦争が始まったら、場末の極東が一番の標的になると思ってました。(本当の覇権争いは北極海でしたが。)
オホーツク海のソ連原潜は、列島線のチョークポイントがあって、行動の自由が利かないので北海艦隊に行きましたが、戦略核ミサイル原潜はどこにいても地球上すべてに攻撃を加えられるので、まあ、あんまり戦略上は変わりありません。
さて、最近は核弾頭を持っていたら、相手国に強く出られるという風潮がはびこっています。少なくともイラン、中国、北朝鮮、インド、パキスタンとかそういう意図で核開発をやってます。