ロシアがウクライナの4州の併合宣言をしました。 ロシアによるクリミア併合が、他国の領域への侵入若しくは攻撃の結果として生じた軍事占領又は武力の行使による他国の領域の一部の併合であるとすると(いやそこらへんはもう明確ですが)、それは一般国際法上の「強行規範」に違反することになり、その法的結果としては、
① 併合条約の無効。(条約法条約53条)
② そのような行為の違法性はいかなる場合でも阻却されない。(国家責任条文26条)
③ いかなる国も、強行規範の重大な違反によってもたらされた状態を合法的なものとして
承認してはならず、当該状態を維持するための支援又は援助を与えてはならない。
(国家責任条文41条)
ということだそうです。つまり、国際法上では最初からOUTであります。もしこれを認めてしまうと、常任理事国自身が国際法を破ってもOKだということになり、国連どころか世界秩序が崩壊してしまう可能性があります。ロシアが戦術核を使用しようがしまいが第三次世界大戦に発展する下地を作ることになってしまいます。なぜなら、国連の常任理事国は軍事、経済力を背景に国際秩序を各国に守らせるという目的で設立されたものであるからです。
さて、話は変わりますが、ロシアは併合を宣言したウクライナの州で動員をかけているようです。アホちゃうか!今は21世紀ですよ。モンゴル帝国の時代じゃないんだから・・・・。
考え方としては占領した地域から戦力を引き抜いて最前線に送り、同族同士を戦わせることで自軍の戦力消耗を避け、敵側の戦意を低下させる目的でやっています。現代戦では小銃一つをとっても個人の火力は高くなっているので、自軍の内部に爆弾を抱えるようなものです。第1次世界大戦以降、いまだにこんなことをやっているのはロシアだけで、どの国も最前線には信頼のおける精鋭をできるだけ回すようにしています。ちょっと余談になりますが、日本の場合、中世は事情がかなり異なります。国外と同じように戦の時は一番最近に味方に下った一族が最前線に回されます。でも、恐ろしいことに武士たちはそっちの方が士気が上がったりします。味方に自分たちの価値を認めさせるために大奮戦したりします。相手が親兄弟でも関係なしです。最前線に回されると最悪全滅の恐れもあるのですが、一番駆けができるので、大きな戦功をあげるチャンスも大きくなります。猛将と呼ばれる武士の中には高位にあるにも関わらす、最前線で暴れまわるものもたくさんいました。
ここからは、さらにどうしようもない話になります。ロシアは兵力不足になって、部分動員令という名のほぼ総動員令をかけましたが、最低数の30万人分の装備がないようです。最初は軍服と銃だけは渡すということでしたが、最近の情報(不確定)によると、軍服すら自前で揃えろとかいう無茶苦茶な状況になっています。じゃあ軍服や防弾チョッキなどがロシア国内にないのかというとそうでもなく、どういうわけか、150万着の軍服がロシア軍から消え一般の商店で10倍以上の値段で売られているそうです。すいません意味が分かりません・・・。ソ連よりひどいじゃん。ソ連の場合はそんなことやったらシベリア送りです。
動員兵の訓練不足もひどく数日で最前線送りとか、戦車兵なんかも主砲の撃ち方だけ教えて戦術訓練なしでウクライナに送り込んでいるようです。太平洋戦争で窮地に瀕した日本軍でも特攻機にもうちょっと訓練してました。あまり知られていませんが。そのかいあってか、沖縄戦で最も米軍に損害を与えたのは 特攻機です。
ロシア軍はナポレオンやヒトラーに冬季反攻で勝利しましたが、今回は得意の低温下での戦闘で敗北を喫することにもなりかねないような気もします。(そういえばフィンランドには冬戦争で負けてましたね。)
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