2021年7月3日土曜日

原子力発電について

  電気に関しては、多くの人が思い違いをしていると思います。たくさん発電所を作っていけばOKなのではないかと考えている人が多いと思います。実はそうではなくて、使用量と発電量が等しくなければならないのです。そうでないと電圧に変化が出てしまい、多くの機器が損傷を受けることになります。現在は超大容量の電荷を蓄える装置がなく、分単位で細かくオペレーションすることで。使用量と発電量に大きな差が出ないようにしております。

 そういうオペレーションをやりやすくするためには、安定した大発電所と細かく調整のできる小(電力会社的に)発電所が必要になります。

 原子力発電が実用化される前はどっちも石炭使用の火力発電所が担っていました。今は、大発電所は原子力、小発電所は火力発電主体であとその他もろもろになってます。

 ヨーロッパは一時期チェルノブイリ恐慌で原子力発電がストップしましたが、最近になってまた原子力発電への回帰が始まっています。なにしろ少量の燃料で大エネルギーを得ることのできる発電方法は今のところ原子力発電しかないからです。

 ドイツなんかではバケットホールなんていう超巨大機械を使って石炭層を根こそぎ掘り進み火力発電を維持していました。


 しかし環境破壊が著しいので、原子力発電への転換が始まっているみたいです。 

 大陸では地震自体が少ないのである程度対策を施しておけば原子力発電はお得だと思います。日本なんか活断層の上に原子炉があったりするもんね。

 原子力発電の欠点としては放射線や放射性物質、及び放射化した物質をどうするかという大きな問題がありますが、ちょっとそれは置いておいて他の環境にやさしいとか言われている発電方法を見てみましょう。

 まずは風力発電です。こいつは今のところ最低の発電方法です。まず発電力がかなり低いです。設備の設置、メンテ費用に発電力がまったく追いついていません。風が弱いと発電できませんし、逆に風が強いとプロペラが破損するのでこれまた発電できません。発電効率はそこそこあって40%くらいですが、よっぽど条件の良いところでないと絶対に赤字になります。 


 次は太陽光発電です。宇宙空間で使用する太陽電池は以前から非常に高効率ですが、ものすごく値段が高いので一般には普及しませんでした。20年ほど前に一般用のアモルファスの技術革新があって、それまで5%ほどだった変換効率が25%まで上がったために、ようやく大気圏内での大規模な実用化がなされるようになりました。設置費用や維持管理費があまりかからないこともあって、遊休地などあちこちで建設が進んでいます。欠点としては耐用年数が短いこと(現在は20年くらいだと言われています。)、天候による発電能力の変化が大きいこと、一番の問題は昼間しか発電できないことです。現在では蓄電システムの併設によって安定した電力供給ができるよう開発が進んでいます。また、発電効率40%をめざして研究もされています。今後発展する余地の高い発電方法だと思います。


  古くからある水力発電はどうなのか?発電効率は80%とかなり高いです。ただし、設備費と維持管理費が相当かかります。大規模発電所(発電ダム)なんか場所も選ぶし、建設に相当のお金と時間がかかります。マイクロ水力発電だったら安いんじゃあと思いますが、ちょっと個人で負担できる額ではないようです。


 作ってしまえばそんなに管理費がかからないように思われますが、土砂やゴミの堆積を除去して、発電水位を維持することに結構お金がかかるようです。排砂設備の整ったダムなんておいそれとは作れないです。電力会社や自治体のように余力のあるところでないと事業化は難しいようです。

 まあ、日本のダムは半分は治水目的で多目的ダムが多いです。上流に大規模ダムが無いと下流では河川の決壊が頻繁に起こります。ダム水位のコントロールはかなりシビアで日本の場合、台風などの災害時はギリギリのところでコントロールしています。

 火山国の日本としては地熱発電が環境にもエネルギー資源的にも一番いいのですが、なにしろコントールしにくいのがネックになっています。

 

 火山の噴火予知でさえ数秒前とかなので、今後技術的なブレイクスルーがないと電力供給の主体にはなれないと思います。個人的にはニュートリノ観測システムが進化したら使えるのではないかと思っています。

  環境にやさしくない発電システムとしてはまず火力発電です。最大の利点は大規模発電でも、小規模発電でも細かいコントロールが可能なことです。また、建設費も安く、設置場所に自由度が高く、設備更新も比較的に簡単なことから、今後も電力供給の安定化に使用され続けると思います。最も効率の高いのは航空機用のターボプロップエンジンを転用した非常用発電システムです。たしか発電効率が60%を超えていたと思います。大規模発電所でもガスタービンエンジンの更新により最新のシステムでは55%くらいまでいってます。

 大規模発電所ではどうしても燃料単価の安い石炭を使用しますので、大気汚染はある程度覚悟しておかなければなりません。

 さて、ここで原子力発電です。まずは核融合発電ですが、まだ実験段階です。15年以内の実用化を目指しているということで、研究自体は相当進んでいるようです。でも、福島第一原発の処理水からトリチウム(3重水素・・・核融合の主要燃料)を濃縮除去できない時点でまだまだこれからだなあと思います。

 現在の主力は核分裂発電(軽水炉)です。燃料の放射性ウランに対して得られるエネルギー量が膨大なので、ランニングコスト(建設費を含む)は、実は原子力発電が一番安いんですね。発電効率はあまり高くなく33%くらいです。構造的には熱した蒸気でガスタービンを回す火力発電と同じ方式を取っているので、もうちょっと発電効率は上げられるはずです。

 もう少しいいところを書いておきましょうか。まず、事故のことを考えなければ建設場所を選びません。水を割合に使うので、川や海の側がいいです。(この辺は火力発電と同じです。)燃料使用時に二酸化炭素を出しません。まあ、こんなもんですかねー。

 欠点はもう書くまでもないですが、放射性物質を大量に扱うために、被爆、放射化の問題があることです。施設のメンテナンス、更新などに高度な技術、コストが必要であり、簡単にはできないのです。

 個人的には日本の原子力発電の問題のほとんどは運用に問題があると思っています。まず、老朽化した施設を延命処置を使って当初の設計年数以上に使用しています。ここはお金がかかってもいいからちゃんと廃炉にすべきだと思います。そうしないと廃炉に関する技術の向上もありません。

 東日本大震災では福島第一原発が原発史上最悪のメルトダウン事故を起こしました。福島第一原発は日本で一番古い原発になります。設計年数はたしか30年くらいだったはず。そんなのをいつまでも使っているから、ダメなんだと思っています。原子力委員会のバカヤロウ!その時の地震ではすぐそばの福島第2原発、20mの津波に襲われた東北電力の女川原発は全然大丈夫できちんと停止できています。

 福島第一原発の事故は大変なことなんですが、旧ソ連みたくコンクリートで覆っておしまいにしていないのはいいことだと思っています。東京電力も、国も逃げてばっかりいないで、事故処理にいろんな挑戦をしていってもらいたいと思います。これで、原子力発電の管理の新技術なんかが生まれればいいなとか考えています。

 施設の更新もあまり進んでいません。原子力委員会の査察の時だけ通ればOKなんていう風潮が蔓延しているという話をかなり昔に聞いたこともあります。これは電力会社の方も悪いです。実際現場の状況を知らずに言うのもなんですが、コストも大事ですが、危機管理をもう少し推し進めていった方がいいのではないかと 思います。

 使用済み核燃料の問題もあります。これ、97%くらいは再処理で再使用可能なんですね。国内では再処理に関してはストップした状態になっています。新しい原発を建てるより、こっちの方が先だと思うんだけどなー。もちろん、安全対策にはお金も技術もぶっこむべきです。既存の原発内でこれができれば、最高ですけど難しいのかな?

 ちっとSF的になりますが、 プルトニウムやセシウムなどの半減期の長い高レベル核種の扱いですけど、いまはただ保管してるだけです。低レベルの電磁波である太陽光でも発電できるんだから、放射線を直に使用した発電装置ができないかなと思ったりします。

 あとはそうですね。いきなりでかいの建てるな!と思います。商用炉としてはある程度の大きさが無ければなりませんが、もう少し慎重に行ってもらいたいです。高速増殖炉「もんじゅ」ができたときには驚きました。

 実証炉とかいう名前ですけど、ふつーに大きいです。事故(放射性物質漏れではないです。)で使用不能になりましたが、うまくいったら商用炉として使用するつもりだったんじゃないのかなー。冷却水のかわりに金属ナトリウムを使用するという、めちゃくちゃ危ない基本構造です。既に廃炉が決定しています。大爆発を起こさなかったのは僥倖に過ぎないと思います。

 原子力というとどうしても悪いイメージが先行するのですが、今後電気自動車を普及させるとかになってくると、絶対に原子力発電の必要性は高まります。火力発電で石炭燃やしてたら二酸化炭素排出量はどう考えても増えます。そろそろ利権だけで発電所を建てるのはやめた方がいいのではないかと思います。お金だけぶっこんでもいい結果は出ないのではないかと思います。

                              

 さて、ここからは超個人的なアホ話になります。日本は核兵器を持っていません。原料はまあ、大量にあります。プルトニウム240の比率が高いですが、精製してプルトニウム239の比率を高めれば核爆弾が作れます。でもそんなことをしなくても、使用済み核燃料をミサイルに載せて相手国にぶち込むだけでOKです。核爆発は起こさなくても高レベルの放射性物質がばらまかれるいわゆる「汚い核兵器」になります。あと、魚雷に載せてぶっぱなすという手もあります。最新鋭の戦闘艦や潜水艦でも制御システムがぶっ飛ぶんじゃないかなー。C国にはやめといたほうがいいです。偏西風や海流に乗ってこっちにも被害が広がりますから・・・。

 んで、本当に地球という星に合った発電方法は何かというと、原子力発電だと考えています。地球という星は巨大な核分裂炉なんですね。火星のように質量が小さいために地殻が固まってしまうようなことにはなっていません。現在も問題なく稼働し続けています。地核の液体化もしており、地磁気を発生し続けています。

 地熱発電を除いては、環境にやさしいと言われている発電方法は太陽光(過去に降り注いだ分も含む)に頼った発電方法です。核分裂原子力発電はそうではありません。

 アフリカのウラン鉱床では20億年前にあった天然原子炉の跡なんかも発掘されています。

 放射性物質や、核分裂反応は人類にとってはあんまり優しくないですが、これを完全にコントロール下におくまで、人類はこの星の覇者であると考えることはできないと思っています。原子力技術は今後ますます需要が高まっていくと思います。日本は地理的条件が悪いですが、頑張って最先端を走っていってもらいたいと思っています。こういう最先端技術は政策なんかでやめてしまうと、再開して世界に追いつくのは非常に困難になります。原発を早く再稼働しろと言っているのではないです。稼働に向けての技術革新を止めるなと言っているつもりであります。

 もう少し追記します。放射線源の管理については、画像化が必要であると考えています。サーモグラフィーのように画像として表現できれば現場での作業がかなり楽になるのではと思っています。人間は視覚優先の動物なので、こういう視覚化は重要だと思っています。最初は写真で構いません。リアルタイムでの画像化ができれば作業効率は格段に上がるのではないかなと考えています。

 次は放射線源へ人体の防護です。マジで戦闘装甲車や宇宙服並みの防護装置が必要だと思っています。通常のメンテンナンスではそこまで必要ではないのでしょうが、非常時にこれがあるかないかでその後が大きく変わってくるのではないかと思います。この辺は技術転用が可能なのでやっておいても損はないと思います。

 あとは自動化ですかね。人体に影響があるのならロボットにやらせればいいじゃんとか言う意見がたびたび見受けられますが、強力な放射線が出る環境ではシリコーンウエハー主体のCPUは一瞬で吹き飛んでしまいます。核爆撃機のB1-Bは核爆発の強力な放射線から機体のコントロールを守るため前世紀の遺物であるドラムコンピューターを常備しています。福島第一原発ではコントロール部と可動部を離れさせることによってメルトダウン部の撮影に成功しています。この辺りはお金かかってもいいから発展させていきたいところですね。ここら辺になると原子力発電以外にも強力な宇宙線の環境下にある宇宙技術にも転用できると思います。

 うん、核融合反応に血道を上げている場合じゃないですね!常温核癒合なんかくそくらえとか思ってしまいます。

 

 

 

 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿