2021年9月7日火曜日

鬱とお薬

 鬱とお薬について YOU TUBE でコンテンツを作成しました。しゃべるのが簡単そうだったからです。いままでブログではやらなかったのは、調査して文章にするのが大変そうだったからです。もう動画の方は作っちゃったので、頑張ってみましょうか。ちゃんと理解できているかどうかは不明であります。

〇 抗うつ薬  

 サインバルタ・・・セロトニン・ノルアドレナリン(神経伝達物質)再取り込み阻害薬(SNRI)セロトニン(5-HT)およびノルアドレナリン(NA)の再取り込みを阻害し、シナプス間隙、細胞外の5-HTとNAの濃度を上昇させる。SNRIでも既存のSNRIと比べ、5-HTおよびNA再取り込み阻害作用が強く、ドーパミン(DA)再取り込み阻害作用はほとんどない。 

  レクサプロ・・・、選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) と呼ばれる。光学分割されたS-シタロプラム(エスシタロプラム)は既存のSSRIのなかで、最も選択的なセロトニン再取り込み阻害作用を有しており、ノルアドレナリンの1,190倍、ドパミンの19,000倍のセロトニン再取り込み阻害作用がin vitroで確認されている。

 ここまでは新しい形の薬で、神経伝達物質の受容体の神経伝達物質の再取り込みを選択的に阻害して神経伝達物質の濃度を上げようという薬であります。三環系や四環系の抗うつ薬より副作用が少ないと言われております。

  ミルタザピン・・四環系抗うつ薬、ノルアドレナリンとセロトニン(5-HT)の神経伝達を増強する。また、5-HT2受容体と5-HT3受容体を遮断する作用があるため、抗うつ作用に関連する5-HT1A受容体のみを特異的に活性化することによって抗うつ効果を発揮する。このため、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA:Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)と呼ばれる。

 これは古い形の抗うつ薬で、神経伝達物質の増強を図る抗うつ薬であります。ミルタザピンは以前はリフレックスという名前でした。オランダのオルガノン社が開発して日本では明治製薬が製造販売していたのですが、特許期間が切れたので、ジェネリック申請してミルタザピンという名前で販売しています。

 最近はこういう例が多く、自社で開発した薬であっても、製法などを変えてコストダウンしたいときはジェネリックで申請するという例が増えているようです。自社開発品だと特許料を払わなくてよいし、特許は製法特許なので製法特許を取るより、ジェネリック申請の方が認可が早いからです。 

 今自分はカリフォルニア・ロケットという処方でいっています。このように複数の精神病薬を処方するのは精神科でしかできないので(心療内科ではできないそうです。)ちょっとまずいなというときは精神科を受診した方がいいです。

 カリフォルニア・ロケットとは、ミルタザピンとSNRI、もしくはSSRIを併用するうつ病の治療法。単剤処方では十分な治療効果が得られない難治性うつ病を異なる作用の抗うつ薬で神経伝達物質のさらなる増加を図るものである。効果のほどは確定していない処方であります。

〇 抗不安薬

 セパゾン・・・ベンゾジアゼピン系の抗不安薬の一種である。神経症と心身症、手術前の不安に適応がある。脳にあるGABAA受容体に結合することにより、抑制性の内因性リガンドであるGABA(γ-アミノ酪酸(ガンマ-アミノらくさん、gamma-Aminobutyric acid )の作用を増強し、神経の興奮性を低下させる。

  全般的に内分泌される物質を増強させるより、受容体や分解を阻害させる薬の方が副作用が少ないとされています。セパゾンはそういう薬であります。

〇 糖尿病薬

 ジャヌビア(LD錠・・ジェネリック)・・・インクレチンを分解する酵素を阻害することにより、血糖が高い時にインスリン分泌促進作用並びにグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善します。

 インクレチンとは血中ブドウ糖濃度の高いときに消化管などから分泌されるホルモンのことを指します。GLP-1やGIPがあります。これの分解作用を阻害することでインスリンの分泌作用を促すという薬であります。

 ルセフィ・・・ SGLT2阻害薬。SGLTは細胞表面にある膜タンパク質で、そのうちの一つSGLT2は腎臓の近位尿細管でのブドウ糖再吸収にかかわっている。そのSGLT2を選択的に阻害することによって、近位尿細管でのブドウ糖の再吸収が抑制され、多くの糖分が尿中へ排出され、その結果として血糖値が低下します。

 Ⅱ型糖尿病に関しては、インスリン耐性というものがあります。インスリンは血中の糖をエネルギーに変換させるのにも関わっており、インスリン耐性があると、いくらインスリン濃度が高まってもエネルギーに変換できないという問題があります。こうなるといくら運動をしても血中の糖度を下げられなくなります。やっぱり、一番効くのは食事療法で、食事に含まれる糖分の絶対量を下げるのがいいみたいです。

〇 高脂血症薬

 クレストール(ロスバスタチン)・・・体内に吸収されたスタチンは、主に肝臓に分布する。スタチンはメバロン酸経路の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素の働きを阻害することで、肝臓でのコレステロール生合成を低下させる。その結果、コレステロール恒常性維持のため肝臓でのLDL受容体発現が上昇し、血液から肝臓へのLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の取り込みが促進される。

 メバロン酸経路はイソプレノイド(テルペノイド)合成の出発物質であるイソペンテニル二リン酸(IPP)およびジメチルアリル二リン酸(DMAPP)をアセチルCoAから合成する生合成経路である。真核生物の細胞膜に普遍的に存在するステロール(例えばコレステロール)や、タンパク質の翻訳後修飾プレニル化)に用いられる脂質(例えばファルネシル二リン酸)の合成などに関与する。律速段階はヒドロキシメチルグルタリルCoA (HMG-CoA) がメバロン酸に還元される反応であり、これが名称の由来である。 うん、結構ややこしいです。ちょっとよく分からないですねー。

 〇 睡眠薬

 マイスリー・・・GABAA受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位(ωサブタイプ)に作用し、γ-アミノ酪酸 (GABA) の作用を増強する。ω受容体には2つのサブタイプがあり、ω1サブタイプは催眠鎮静作用に、ω2サブタイプは抗痙攣作用、抗不安作用および筋弛緩作用に深く関与しているものと考えられている。ゾルピデムは、他のベンゾジアゼピン系睡眠導入剤と比較してω1選択性が高く、催眠鎮静作用に比べて、抗不安作用、抗痙攣作用や、筋弛緩作用が弱いのが特徴とされる。

 ついでに調べたら全然理解できません。GABAA受容体からもう分んない。リンクを入れておきます。 

 次回はもうちょっと簡単な話題にしようと思います。 

 ここからは蛇足になります。一時期 NET 上で鬱のお薬を飲んで頭を良くしようという記事が出回りました。鬱病の薬は脳内の神経伝達物質を増加させる働きがありますので、そういうのが流行ったみたいです。

 でも、ちょっとっと待て、精神病薬は人によって反応性が大きく違いますし、ぶっちゃけ麻薬です。コカインやヘロインなんかでも手術の麻酔に使用したり、癌患者への投与が行われていますが、そういう場合には麻薬中毒になりにくいんですよね。鬱病の薬も鬱病の患者が使う分には問題は無いですが、健康な人が使うと中毒になる可能性があります。こういうのはちゃんと調べてから使う方がいいと思います。


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