2021年9月27日月曜日

タイヤの皮むきに溶剤使ってみた

 タイヤのトレッド表面に付いた離型剤を剥がす作業をタイヤの皮むきと言います。昔は走って取るのが定石でしたが、バンクさせたときにスリップダウンする可能性があります。

 クリームクレンザーとたわしでこすり落とすのが、一番安全な方法です。でもこれ結構手間がかかります。もうちょっと簡単にいかないものかな?

 ゴム成型用の離型剤について調べてみました。

 タイヤはいくつかの部分に分けて加工し、最終的に金型に入れて加圧、整形します。プラスチックの射出成型は、離型剤を使わなくてもよい場合があります。でも、ゴム製品の場合はその時点で加硫が行われるようで離型剤が必須のようです。

  離型剤はその組成から大まかに三種類に分けることが出来ます。ワックス系、シリコーン系、フッ素系の三種類です。

 ワックス系離型剤は、広く使用されていますが、被膜の膜厚が厚くなるため使用量は多くなる傾向にあり、それにより金型汚れも強くなりがちです。また、離型性もそれほど高くはありません。シリコーン系離型剤は、シリコーンオイルの優れた潤滑性をベースとしており離型性もよく、広範囲で使用されていますが、成形物への転写が多い傾向にあり、塗装や接着不良が起こる可能性があります。 

 ここまではおそらく値段は非常に安いです。

 フッ素系離型剤(おそらくテフロン系)は、フッ素の非粘着性をベースとしており、薄膜で離型性能を持たせることが出来ます。そのため使用量も少なくでき、転写も少なく、金型汚れも少なくなります。ただ、シリコーンのような潤滑性はフッ素単独では持たせることが出来ないため、その弱点を補うために、シリコーンと併用されることもあります。

  多分フッ素系は値段が高いです。自分の会社ではテープを多用しますが、紙クラフトテープが100円/本以下なのに対し、テフロンテープは5000円~10000円/本くらいします。

 今は セミパーマネント離型剤というプレポリマータイプのものも開発されているようです。プラスチック(ポリマー)の場合、種類によっては溶融しても完全に接着しない組み合わせというものがあります。一般的によく目にするのは、個人情報に当たる部分が手で剥がすことのできる葉書です。疑似接着シートと呼ばれています。

 セミパーマネント離型剤は、型温での架橋段階で十分に重合できる複数(通常は2種類)のプレポリマーから成るのが普通である。各プレポリマーのミクロ構造と機能は異なり、混合比は条件に応じて調整されている。主プレポリマーの成分は層を形成させるためのバックボーンとなる構造を持ち、型面への接着的役割を担う。また、副プレポリマーの成分を包含させるための構造も持っている。通常、副プレポリマー成分の濃度は、主プレポリマー成分のそれよりも小さい。副プレポリマーの成分には型面への粘接着性はなく、流動と離型効果を付与する潤滑的役割を担う。一般にこの成分の架橋網目の密度は、主プレポリマーの成分より大きくはなく、分子量も小さい。これらのプレポリマーの重合は熱によるが、その温度と時間関係を最小化する必要がある。つまり、ある温度以下ではプレポリマー成分は反応しない(性能が出ない)ように調製される。また、反応開始の温度はより低く、かつ反応時間をより短くするために触媒が添加されることもある。ということみたいです。

 値段はかなりするだろうなー。ただポリマーなのでテフロン系より安い可能性はあります。  

 これくらいだったら、溶剤で落ちるんじゃないだろうかということで、やってみました。


https://youtu.be/3YuC0ESiZU4

 いやー、思ったよりタイヤワックスが頑固でした。これだけ残ってりゃ膨潤の心配もなさそうだしもうこれでいいや。

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