2016年10月18日火曜日

対十薬(ドクダミ)戦 phase4 の検討

phase4

 phase3の攻撃はかなり有効ですが、樹木の根の張っている場所なんかには使えません。また準備、実行に時間と手間がかかるので、頻繁にできないという欠点があります。

 そこで、化学兵器(除草剤)をつかう ことを考えています。もう、子供たちも上の学校に行って家を出ているし、大丈夫かな。

  ざっと調べてみると、いやあ、強力なのが多いです。広い田畑に撒くことを前提に作られているせいか、うちの庭なんかに撒いたら、何もかも枯れてしまうんじゃないかと思ってしまいます。ホームセンターの除草剤の棚には、「これをまいたら3年間雑草が生えてきませんでした!」とか恐い体験談付で売っているのもあります。その中で、「ラウンドアップ」(グリホサート系除草剤)が、コケには効かないという情報があったので、取りあえず買ってきました(馬鹿だね!)。この、とりあえず買ってみるという癖はなかなか治らないです。


 メーカーサイトには、人体には無害、土壌への悪影響が無い、とか書いてあって、詳しい事は載っていません。ほんまかいなこれ?よーく見てみると、シャワータイプは植栽地への使用不可、製品データ安全シートには、コイ(淡水魚)とミジンコへの毒性有になっています。法的に劇薬ではないので、安全性についての詳しい情報はそれ以上は載っていません。使用回数制限は年3回、メーカー側の示す半減期が4日~21日なので、土壌残留量が1%以下に落ちるのに4カ月かかります。 ここら辺はつじつまが合ってるな。

 検索をかけてみると、開発されてから40年もたつ除草剤で、まあ、いろいろ出てきました。アメリカでは上記のような広告は誇大広告ですでに禁止されているとか、開発元のモンサント社の研究データが捏造で20人もの研究者が逮捕されたとか...。長期使用による弊害も報告されているようです。それでも、40年も使われ続けているのは、代わりになる良い除草剤が無いのでしょう。

 ちょっと情報を整理してみます。グリホサート系除草剤は、植物体内での5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸の合成を阻害し、植物や微生物の持つシキミ酸経路を使えなくします。動物にはこのシキミ酸経路がなく、ここから、人体には無害だということになっているようです。何だか良く分かりません。

 報告されている毒性として、発がん性や先天異常(奇形児など)の発生、皮膚の炎症などが起こる危険性があるそうです。除草剤メーカー側はデータを捏造してまで、隠していたようでいたが、既にこのような弊害があることは10年ほど前から報告されているようです。生殖胚への影響は割合低濃度で起こるので特に問題だと思います。

 次に淡水魚への毒性ですが、淡水魚は浸透圧の関係で体内に入ってくる水をどんどん尿として排泄しているためか、毒物に非常に弱いです。水道水の塩素で金魚が死んでしまうくらいですから。コイはその中では、悪環境に強い方なのですが、コイでも駄目だとなると、結構深刻な話かもしれません。現在、グリホサート系除草剤の多用で水路から流出した農薬で水系の生態系がダメになったという報告も上がっているようです。富栄養化は、溶存酸素濃度不足ですから、ちょっと話は別です。

 また、土壌への悪影響が無いとのことですが、メーカーの説明では土壌の吸着成分に吸着され微生物に分解されて、無害になります。ここで、土壌の吸着成分というのは、おそらく粘土鉱物と、有機物のことでしょう。土壌によって陽イオンの吸着量は変わります。日本の土壌は世界的に見てもこれがかなり低く、吸着されない分がかなりあるのではないかと思います。その分は土壌から流出するか、植物の根からの吸収もあると思います。(葉や茎についただけで吸収される成分が、根から吸収されないというのはやっぱりおかしいと思います。)

 それから、土壌中の有用菌や真菌類が減少して、窒素固定不良などの障害が発生しているようです。シキミ酸経路を持つ微生物は余剰除草剤の無差別攻撃の対象になるわけですから、まあ当然ですよね。

  土壌中の分解速度は結構場所によってばらつきがあって3日~2年(おい!)だそうです。世界的に「ラウンドアップ」の長期使用によって、汚染された土壌が広がっているそうです。最近、院内感染とかで抗生物質耐性菌が話題になっていますが、「ラウンドアップ」耐性雑草もかなり出てきており、生産地では大問題になっているそうです。

 他にも地下水の汚染が深刻になり、使用を禁止したり、制限したりする国もいくつかあります。これは、その国の気候や地形も関係しているので、一概に使用が危険だとは言い切れないところもあります。日本は雨が多く、土壌の保持力が弱いので、多用すると水質汚染が起きる可能性が高いと思います。

 ここまでは、主成分のグリホサート塩の話です。「ラウンドアップ」には他にも問題があります。有効成分の吸収を助けるために含まれている、界面活性剤です。どうも、これが、ミミズなどの土中生物に対して有毒らしいのです。

 有効成分以外の補助剤については、成分等詳しいことは公開されておりません。でも、細胞壁に守られた植物細胞を侵すくらいですから、結構強力なのではないかと思っています。ミミズなんかひとたまりもないですよね。はたして、土中で分解してくれるかどうかも調べきれませんでした。人体への影響は不明です。

 調べて行けばいくほど恐ろし気な情報が出てきますが、長期に世界的に使用量が多いので、弊害も良く分かってきているのだと思います。ホームセンターで誰でも購入報告義務無しで買えるので、相対的に毒性も低い方なのではないかと思います。メーカー側の隠蔽工作と、1代限りの遺伝子組み換え作物、毒性が低いが故の多用が今日の問題をひき起こしているのだと思いました。
  
 

 

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