2017年4月13日木曜日

月から方角を知る方法 ①

 これは昔のサイトのネタにしては比較的まともなものです。今回はまじめに書いてみようと思います。

 まず、言っておかなければならないのは、天体を見て方向を判断しなければならないような状況に陥ってはいけないという事です。現在の航空機や船舶で天測をするのは一応非常時です。登山やトレッキングでもコンパスと地図を持って行かないのはバカだけです。登山の場合コンパスと地図は常用と予備の2セット持って行くのが常識だと思います。現在は高感度のGPSマップというものもありますが、予備にコンパスと地図は持参すべきです。

 下は登山用の高感度GPSマップ。4万円~10万円くらいします。高いよ!携帯のグーグルマップはこういうときに役に立ちません。ツーリングで酷道や険道に入っただけで、圏外になったりします。

 地図の定番は特定山域なら「山と高原地図」そうでない場合は地理院発行の「2万5千分の1」を使用します。今は地理院の電子国土webやYAMAKEI onlineでルート図を発行できますが、レーザープリンタで出力した方が良いと思います。高い方の「山と高原地図」で1000円強くらいです。
 
 コンパスは伏角に対応できる、オイルフロート式のコンパスなら何でも構わないと思います。オリエンテーリング用で3000円くらい。コンパスのみで1500円位です。バイクのツーリングなどでも結構役に立つことがあるので1つくらいは持っておいてもいいかと思います。

 それから、一応、磁北の偏角は知っておいた方が良いと思います。西に3度から10度傾いています。
 地図とコンパスの最もいい点は電源が要らない事です。(夜はライトが要りますけど。)「山と高原地図」はウォータープルーフ紙ですので過酷な使用に耐えます。欠点は磁北が北極点よりずれているため、高緯度地方ではあてにならないことです。

 六分儀、ジャイロコンパス、正確な時計を使った天測については省略します。これは、船舶にとっては予備のコンパスと地図にあたるもので必修項目になります。(大体、きちんと説明する自信がありません。)

 ここからは半分遊びの天測方法です。

 まずは、アナログ時計の短針と太陽を使う方法です。これは、太陽の南中時刻を12:00と仮定しています。実際には20分ほどズレのあることがあり、少し狂いが出ます。しかし、短針の20分は6度しかありませんので、結構正確な方法であると思います。(国立天文台 南中時刻参照ください。)
また、南半球でも北中時刻で使うことができます。
 やり方は水平に置いたアナログ時計の中心に垂直に棒を立て、影を参考にして、短針を太陽の方向に向けます。その時の短針と12時の2等分線の方向が南になります。
   実際にやってみるとけっこう誤差が出ます。時計を水平にすることと、棒を垂直にすることがかなり難しいからです。直接太陽の方向に短針を向けても良いですが、太陽はかなりまぶしく合わせるのが難しいです。また腕時計の文字盤は小さく見難いのでこのことも影響します。大体そんなチャンとした腕時計を持っている人はコンパスの予備くらい持っています。知っておいて損はないですが、多分使うことはないと思います。

 他に欠点としては、低緯度の場所では使いづらい事です。南中と北中を間違えると全く逆の結果が出ます。それから12時間の時計は地球上でしか使えません。

<続く>

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