2017年4月14日金曜日
月から方角を知る方法 ②
①からの続きです。
次は北極星を利用する方法です。古来から船乗りたちに頼られてきた方法です。今の地球は運のいいことに、地軸の北側のほぼ延長線上に割合目立つ(2等星)恒星があります。北極星は地球自転の影響をほとんど受けないため、天球の北極に位置し続けます。
北極星自体を直接見つけるのは少し慣れが要ります。普通は北の空にある北斗七星とカシオペア座から探すのが見つけやすいです。
欠点としては、地軸の南側延長線上にはそういう星がないため、南半球では役に立ちません。また、高緯度地方では北極星が天頂付近に来るので、方位が分かりにくくなることです。地球では北半球の中緯度地方でしか実用にならないです。
他惑星上での使用については、運よく地軸の延長線上に目立つ星があれば使うことができます。
最後に月から方角を知る方法ですが、まず、軌道公転面が同一で地軸が公転面に垂直なSun-Planet-Moon系を考えてみます。
このとき、SunとMoonのPlanet天球上の軌道(黄道、白道)は天球の赤道を通ることになります。また、Planetの明暗境界線は天球の経線に沿う形となります。
それから、PlanetとMoonにあたるSunからの光はほぼ平行になりますので、PlanetとMoonの作る明暗境界線もほぼ平行になります。
つまり、Planetから見えるMoonの明暗境界線が作る弦AB(直径)は、Planet天球の経線に沿っていることになります。そして弦ABの延長線は天球の北極と南極を指し示すことになります。
この方法の利点としては、明暗境界線だけを見るため、Moonから見たPlanetにも同じことが言えるという事です。また、どの恒星系でも使えます。すぐお分かりになると思いますが、地軸の傾きが少ないほど、Moonが大きいほど誤差が少なくなります。
最大の欠点は、地球の地軸の傾きが23.44度もあるため誤差が大きすぎて、地球上では使い物にならないという事です。最低でも月(太陽公転面からの傾き6.68度)まで行かないと使えるとは思えないです。
月面上でこの方法に頼るようでは、はっきり言って終わっていると思います。
こうやって、落ち着いて書いてみると案外つまらん話でした。ごめんなさい。
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