2016年11月10日木曜日

苔の採集

 庭のグランドカバーにはいろいろあります。高麗芝、サギゴケ、ヒメイワダレソウ、シバザクラ、リュウノヒゲ、スギゴケなどなど。

 今年初めて高麗芝をさわって、やっぱり、芝生が最強だなと思いました。まず、平米単価が安いです。うちの場合、(芝生600円+専用土400円+目地砂400円X2)X1.08/3.3=590円/㎡しかかかっていません。手入れが必要ですが、比較的楽な方だと思います。水をやって、伸びてきたら刈るだけですから。広い範囲なら便利な道具も数多く出ています。サッチ処理は生分解剤がありますし、雑草対策が少々面倒ですが、芝生専用の除草剤もあります。一番の強みは、人が踏んでも全く大丈夫という事でしょう。植栽の手入れでグランドカバーに乗ることは結構あります。欠点はあまりないと思います。芝の繁殖力が強すぎて、花壇とかはきっちり分けておかなければいけないくらいかなあ。


 リュウノヒゲは実家で使っていました。欠点は株が増える速度が極端に遅いということでしょうか。グランドカバーを作るには、最初からある程度、密に植える必要があると思います。株の間隔が空いていると、リュウノヒゲがかぶっていても、そこに雑草が生えます。雑草対策はI型除草機「テデトール」しかないようです。それから、リュウノヒゲの苗は小さいので、平米単価はかなり高くなります。ホームセンターで売っていた30cmX50cmのパックで1580円、1/4㎡いけるとして、苗だけで6820円/㎡です。うちの実家では前庭の一部しか覆うことができませんでした。リュウノヒゲも刈り込みをしなければならないのですが、芝刈り機のような便利な道具はないようです。ある程度草丈を伸ばすのが普通なので乾燥には強く、芝生ほど水をやる必要はないと思います。

  サギゴケ(蘚苔類ではありません。)やヒメイワダレソウなどについてはよく分かりません。美観を維持するための手入れがどれだけかかるのか、雑草対策にどれだけ手間がかかるかにかかっていると思います。まあ、ホームセンターの苗の値段を見る限り、平米単価が芝生よりかかるのは間違いないかと思います。

 父が以前入院していた病院で、芝桜の満開を見ました。一面花に覆われてすごく綺麗でインパクトがありました。ただ、個人であの状態を維持できるのかどうかは分かりません。

 スギ苔等の苔庭は、正直に言うと人に薦められるようなものではないと思っています。まず、コケを維持しやすい環境を整える必要があります。植栽を深くしたり、塀を高くとったり、中央に池を作ったり、湿気の多い風の通らないレイアウトが必要です。それでも乾燥する場合は、潅水設備を入れます。大体日差しの通らない、暗い庭になりがちです。個人的には普通のコケ庭の暗い雰囲気が好きではありません。湿気が多すぎてもダメで湿気が多すぎると、ゼニ苔や、キノコがはびこることになります。

 それから、コケは苗の単価が高いです。大体0.2㎡で3500円、17500円/㎡もかかります。植えるときは、湿気を逃さないよう苗の間を開けてはいけないので、20000円/㎡くらいは見ておいた方が良いかもしれません。造園業者は自家製の苗を持っているので、業者任せにした方が安く上がると思います。

 コケの他の雑草を押しのける力は弱く、除草剤に頼るか、根性で雑草を抜くしかありません。落ち葉をそのままにしておくと、その下のコケが枯れるとか以外にひ弱なところもあります。コケは踏んではいけないと言われますが、草取りや、植栽の手入れで踏まなければいけない時は、慎重にゆっくりと体重をかけてやれば大丈夫です。一旦コケがへこんでしまいますが、2~3日で元に戻ります。普通に歩くのはまずいです。コケが剥がれてそこから枯れていきます。
 
 コケはグランドカバーとしてはかなり欠点が多いと思います。うちがコケをグランドカバーに使っているのは、勝手に生えてくるからです。他に理由はありません。そうでなかったら、多分、全面芝生にしていたと思います。

  前置きが長くなってしまいました。

 前の記事にも書きましたが、うちの庭にコケが自生してしてくるといっても、放っておけば雑草に負けて、コケの比率が50%を切ってしまいます。それで、コケを集めて疑似コロニーを作成していますが、やはり、コケの絶対量が足りません。それでコケの種なるものを買いました。これだと2㎡で3500円、ピートモスなども必要なので、2000円/㎡くらいになると思います。実はコケの種の第2弾を購入しましたので後日詳しく記事にしたいと思っています。

 10月に台風が接近した時、ダウンして会社を休みました。とても車を運転できるような状態ではなかったので、歩いてコンビニに煙草を買いに行った時のことです。ふと、道端のコケを集めたらどうだろうと思いました。道端のコケはコケ庭用のコケではないようですが、雑草よりはましでしょう。帰りに状態のよさそうなコケを2~3個持って帰りました。それから、家の周りを捜して、全部で10㎠くらい集めてみました。うちの町は、強制参加の町内清掃があるので、あまり道端に大きいコケはありません。他にコケのありそうな場所がその時は思いつかなかったので、そのままになっていました。

 10月の終わりごろ、また、頭の調子が悪くて、会社を早退した時のことです。下を向いてとぼとぼと歩いていると、コンクリやアスファルトの隙間にコケがあるではありませんか。これを持って帰ったら、どうだろうと思いました。

 会社に生えているコケは会社の財産なのか?うちの会社は製造業なのでそんなことはないと思います。ただの異物です。どちらかというとやっかいものです。クーラー等のクーリングタワーはコケや藻のようなものがついて、効率が落ちるので数カ月に1度は、部署総出でクリーニングをします。大企業だと業者任せかもしれません。溝や建物についたコケは大雨の時や5S活動の大草刈りの時にに土といっしょに固まって落ちるので、溝や、樋を詰まらせます。1度だけですけど大雨の時にコケが詰まって縦樋の分解掃除をしているのを見たことがあります。工務課の人は屋根の上に上る作業をした場合、横樋に落ち葉やゴミ、コケがたまっていないか確認するのが義務だそうです。樋が詰まると、雨の時作業場や通路の方へ水が噴き出てくるからです。

 翌日は無理をして出社しました。馬鹿です、休んでおけばいいのに。案の定仕事にならず、メモリーの電池交換をして、機械の動作確認しかできませんでした。終業後、PE廃棄物の集積場に行き、袋を調達して、通路のコケを集めようとしました。しかし、人がいたのでなかなか集められません。以前ならば堂々と採取できたでしょう。同部署の連中にも手伝ってもらって、大掛かりにやっていたかもしれません。こういうちょっと変わった行動は格好の話のネタになります。今はとてもそんなことは無理です。

 日は暮れてくるし、どうしようもないので、新建屋の裏の方へ行きました。ここにまず人は来ません。コンクリを貼ってあるので、望み薄ですが、ちょっとくらいはあると思いました。行ってみると、コンクリの上に点々とコケのコロニーがあります。ちょっと興奮していたので写真はありません。5S活動に引っかかったら、産廃業者行きなので、急いで採取しました。よく考えたら、事業所の清掃なんだから、びくびくする必要は全くないですね。 
これが、集めてきたコケです。コケのついている土もきっちりとってきたので、新建屋の裏はきれいになりました。
結構大きいです。ホソウリゴケとギンゴケでしょうか? コンクリの上でしたので、雑草含有率が低そうです。
とりあえず、庭の空いているところに置いておきました。

2020.03 追記

 やっぱりうちの工場では苔は除去対象でした。5S 活動で高圧洗浄機で除去されたビロード苔のコロニーの跡です。








 

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