最初に聞いたのは In Through the Out Door 1979年のことです。当時は洋楽の発信はFM局が中心でした。渋谷陽一が興奮しながら紹介していました。その後、友人がステレオセットを買い、私たちの住んでいる田舎にも貸レコード店ができたので、2人で金を出し合って、色々録音しまくったことを覚えています。別の友人に古いギターを譲ってもらって、みんなでギターを弾き始めたのもその頃でした。
少し話はそれますが、当時法律的にグレーな貸レコード店が急速に広がったのには今との音楽環境の違いがあります。なにしろLPの値段が高かったのです。当時の円レートは1ドル200円以上でした。LPレコードの値段は現在のCDと同じくらいで3000円から3500円くらいです。今の貨幣価値でいくと5000円くらいの値段で、中学生に簡単に買えるようなしろものではなかったのです。
そして、録音用のカセットテープも高価でした。46分のFe/Crハイポジションが1000円弱、Metalテープだと1500円くらいしていたと思います。音響マニアの人はテープ幅の広いオープンリールデッキを使っていました。オープンリールデッキのテープの値段は、カセットテープよりはるかに値段が高いことくらいしか知らないです。
また、LPは針を入れると劣化していくので(音響マニアの友人の話では3回以上聞くと明らかに高音が劣化するのだそうです。)LPを買ったら、高品質のテープに録音してそれを聞くのが常道でした。ですから、友人がLPを持っているからと言って簡単に貸してくれとは言えない雰囲気もありました。
話を戻して、ではZEPはどんなバンドだったのでしょう。1969年にZEPⅡでそれまでビートルズの牙城であったUKアルバムチャートを制します。その後、1980年にドラマーの John Bonhamが亡くなるまで、1970年代を通してロック界の王者として君臨し続けました。
それまでのロックの概念を変え、ハードロックという分野を創ったバンドでもあります。 Let It Be(1970年)とCommunication Breakdown(1969年)を聞き比べてもらうと違いが良く分かると思います。(you tubeで検索してくださいね。)
Led Zeppelinの認知度が、うちの県の県庁所在地なみに低いことはもう分っていますので、ちょっと、紹介などもしておきましょうか。
メンバーは、ジミー・ペイジ(G)、ロバート・プラント(Vo)、ジョン・ポール・ジョーンズ(B/Or)、ジョン・ボーナム(Dr)です。当時のロックバンドにしては珍しく結成から解散まで12年間メンバーが変わっていません。 ちなみに鍵盤楽器パートは70年代に(電子)オルガン/ピアノ→シンセサイザー→キーボードと呼び方が変わっていっています。キーボードの呼称が一般化したのは80年代以降だと思います。
オリジナルアルバムが、Led Zeppelin(Ⅰ)、Led ZeppelinⅡ、Led ZeppelinⅢ、Zoso(Led Zeppelin IV)、Houses of the Holy、Physical Graffiti、Presence、The Song Remains the Same(Live)、In Through the Out Door、Coda の10枚。あとリマスター版や、live DVD、再結成後のアルバムがありますが、普通はカウントしません。解散までの10枚のアルバムの完成度がかなり高いからです。
サウンドの特徴としては、ジョンジーがベースと鍵盤の1人2役ということもあってギター中心のサウンドになっています。普通はゲストミュージシャンを呼んで曲を作ったりしますが、ここは4人で何でもやろうとしています。 In Through the Out Doorではキーボードサウンドが多いように思えますが、これは、ギターシンセサイザーという際物楽器の音です。音作りに関しては当時このバンドの右に出るバンドは無く、アナログエフェクトの極みのような音を出しています。
初めて聞くなら、お薦めは Led Zeppelin IV です。名曲 天国への階段(Stairway to Heaven)が入っています。あとは1st、2nd、Houses of the Holyですかね。このあたりが入りやすいところかと思います。Physical Graffiti以降のアルバムは好みが分かれるので、気に入ったら買うという感じでいいと思います。それから、アルバム全体で音を作っているので、ベスト版のRemastersは避けた方がよいと思います。
あと詳しいことはwikiとか見てください。
1979年当時、最も上手なギタリストはTOTOのスティーブ・ルカサーと言われていました。では最も下手くそなプロギタリストはというと、ジミー・ペイジの名が上がります。音作りとリフは最高、でも下手くそという評価でした。アルバムの中で1拍間違えて入ったり、ノイズ出しまくりで、ギター雑誌では、この人ミュートのやり方知らないんじゃないかという意見もあるくらいでした。
一応ジミーさんのために擁護してみましょう。今のエレキギター弦は09-42がライトゲージ、10-46がレギュラーゲージになっています。1980年頃は09-42がスーパーライトゲージ、10-46がライトゲージ、12-54がレギュラー(アコースティックのミディアム)でした。さらに昔は12-54未満の弦が存在していませんでした。また、今の弦は柔軟性があり切れにくいと思います。80年頃の09はちょっと急なチョーキングをするとすぐに切れました。10はあまりに固く初心者の私には1音チョーキングがやっとでした。
ジミー・ペイジが ノイズ出しまくりなのは、弦のせいだと思います。(遠い目)
0 件のコメント:
コメントを投稿