2016年12月10日土曜日

TOTO

 もういいかげん使い古されたネタですが、旧 東洋陶器(株)ではありません。アメリカのロックバンドです。便器メーカーとは全然関係なく、メンバーは来日した時ショックを受けたそうです。

 デビュー以来、このバンドのファンです。そのくせ、バンドの詳しいことはほとんど知らないです。ギタリストがスティーブ・ルカサーなのは知っています。あと、ポーカロ3兄弟がいて、亡くなったドラマーは誰だっけ?ジェフ・ポーカロ?メンバー全員がトップレベルのスタジオミュージシャンで、デイヴィッド・ペイチとジェフ・ポーカロが ”高校の時みたいにまたバンドやりたいな”と思って知り合いに声をかけて結成されたとか。その程度です。

 今では、80年代アメリカンロックサウンドの代名詞とか言われています。TOTOⅣでグラミー賞6部門制覇をやったこともあって、当時の代表的バンドに上げられることも多いです。たしかにそこそこ有名ではありましたが、そこまで、ビッグな存在ではありませんでした。
 80年代アメリカンロックサウンドが TOTO のカラーに染まったのは事実で、これは、メンバーがバンド活動を始めてからも、スタジオミュージシャンとしての活動も続けており、色々なバンド、ミュージシャンのアルバムに参加したからです。ルカサーのソロは特徴的なので、当時のいろいろなアルバムで聞き分けることができました。でも、これは知っている人しか分からないことで、一般的には知られていませんでした。

 当時を代表するミュージシャンといえば Michael Jackson、Madonna、Cyndi Lauper といったところでしょうか。ロックバンドに限定しても、Queen、The Rolling Stones といった大物がまだガンガン活動していたころです。アメリカでの人気は、メタル系ハードロックをメジャーに押し上げた Van Halen の方が高かったように思います。ロック界のその後の方向性を決めた点ではマイナーですがSLAYER には遠く及びません。TOTO はどちらかと言えば玄人受けするバンドだったと思います。


 では、TOTO のすごいところはどこかというと、とにかく、音がかっこいいのです。(メンバーのビジュアルはなぜかアメリカンなダサさに満ちています。)もちろん高度なテクニックも特徴の一つで、当時は TOTO の Album が発表されると、ギター、キーボード、ドラムなどの雑誌はこぞってTOTOの新譜の譜面を載せたものです。TOTO の音のかっこ良さは楽器を触ったことがあるとよけいにすごく感じます。

 ここからは超個人的な意見です。
  2015年に9年ぶりに TOTO の新譜 TOTO XIV が出ました。レヴューはあまり芳しくありません。過去の作品と比べてどうとか、書いてあるのが多いです。それは、聞き手の感性が鈍っているせいだと思っています。TOTO の最高傑作の作品はと聞かれたら私は迷わず最新作を上げます。TOTO のこれまでのアルバムは、すべてその時代の半歩先をいく曲と音が詰まっていたからです。

 実際、TOTO XIV をハードロックファンの娘に聞かせたら、一発でファンになってしまいました。3ヶ月くらいは他のアーティストのアルバムは聞けなかったそうです。来日コンサートのチケットも速攻で取って行ったそうです。(ちなみに Hydra を聞かせた時の反応は薄かったです。)私はこれまでこれを12回体験しています。もう1回くらいは来てほしいなあと思っています。
  
 個々のアルバムの話はやめておきます。長くなりますし、知らないことも多いからです。

  これは、あまり知られてはいませんが TOTO のアルバムには他のアーティストのアルバムにはない細工がしてあることがあります。

 まず、TOTO~The Seventh One までのアルバムはレベルを低くしてありました。昔は LP からカセットテープにアルバムを録音していましたのでこれははっきりと分かりました。ピークメーターの振りが他のアーティストのアルバムに比べかなり低いのです。これはどういう事かは大音量で聞くとすぐ分かります。普通、音量を大きくしていくと各楽器の音が立ち上がってきます。そうすると、リバーブなどの空間的エフェクトが目立たなくなっていくのです。TOTO のアルバムは音量を上げても TOTO の得意とする空間的エフェクトが薄れないようにしてあるのです。

 次に、カーステのイコライザでロック系のパターンとして60、2k、4k、16kあたりを上げ250あたりを下げているパターンがあります。こうすると、ドラム音が際立ち、ベースの倍音がカットされるため音がパワフルでクリアな感じになります。TOTOは最初のアルバムからこういうイコライジングを強くかけてあります。

 あと、2006年の Falling in Between と最新作の TOTO XIV の CD をそのまま聞くととても聞けたものではありません。Falling in Between はかぶせているギターのレベルが大きく耳障りですし、TOTO XIV は全体に音がうねっています。それは5.1chのデコーダーを通して再生すると解消されます、全周からエフェクト音が来るようになっているのです。ちなみにこの効果は wave ファイルに変換すると消えてしまいます。
 この調子でいくと次の新譜はハイレゾBD 5.1ch かもしれません。もう既に DSD リマスタリング・アルバムが出ています。どうしよう。困ったことになりそうです。

 
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿